【前編】ベトナム人にウェブを任せていたらウイルスが。なぜか訴えられるはめに

ベトナム人にウェブを任せていたらウイルスが。なぜか訴えられるはめにベトナム(海外)で仕事

ベトナムに移住して5年が経ったころ。ベトナム人のITエンジニアにウェブ制作を依頼して管理してもらっていました。するとある時「ウイルスがはいってサイトが駄目になった」との報告が。しかも、なぜか訴えられる意味不明の展開に。その顛末を前中後編に分けて紹介。

ベトナムで仕事をはじめて5年が経っても、世にも奇妙なトラブルに巻き込まれることがあることを覚えておいてくださいm(__)m。事件は生活に慣れたころにやってきます。

※事件簿っぽい語り口調で文章を書かせていただきますが、すべて120%実話です。

8月15日:ある日目覚めたら妻が号泣していた

8月15日:ある日目覚めたら妻が号泣していた

朝の10時頃だろうか、僕が寝ていたら、ベトナム人の妻に突然たたき起こされた。なにかと思って起きてみると、そこには号泣している妻の姿が……。
「どうしたの?」と僕が訊くと、
「実は……さっきコアから連絡があって、あなたのサイト、ウイルスが入って駄目になっちゃったんだって」
Mr.コアはフリーランスで活動しているITエンジニアで、僕は彼にウェブサイトの制作と保守管理を頼んでいた。ただ、泣きはらした妻をよそに、僕は「なんだ、そんなことか」と返した。
「問題ないよ。バックアップがあるから、すぐに復元できるよ」
「それが、バックアップもダメになっちゃったんだって」
そこで僕はようやく目が覚めた。そして少しばかり心臓の鼓動が高鳴った。
「どういうこと?」
「コアのパソコンにもウイルスが入ったし、サーバーにも感染したらしいの」
「だったらサーバーに連絡してみな。サーバー側のバックアップを使えるはずだよ」
そういうと、妻は急いで僕のサイトを置いているレンタルサーバー会社に電話した。
「駄目だって。コアが申し込んでいるプランはバックアップがない一番安いプランみたい。ねえ、どうしよう」

それから僕は妻にあれこれ指示だして、コアと連絡を繋いで現状を聞いてみることにした。
どうやらパソコンとサーバー経由でウイルスが感染したのは本当らしい。そして、コアは外部メモリーにバックアップをとっていなかったことも判明した。「いま復旧作業しているから」とコアはそれだけ言って、そこから数日間連絡が来なかった。

僕が置かれている現状

改めて僕がいま立たされている現状を振り返ってみる。
僕は現在コアに3つの旅行サイトの保守管理を任せている。そして、どうやらその内の2つのサイトがやられたようだ。残りの1つは不幸中の幸いで、数日前にサーバーを変えていたのだ。そして、サイトはやはり真っ白の状態になっていた。

8月18日:数日振りのコアからの連絡は、「お前を訴える」だった

8月18日:数日振りのコアからのメールは、「お前を訴える」だった

コアから妻あてに連絡が来たのは、問題が発生してから3日経った日だった。どうやらコアは復旧を試みているが、状況は芳しくないようだ。そして、コアから妻あてにメッセージが届いた。それを妻が読み、僕に翻訳してくれるのだが、徐々に妻がうろたえていくのが分かる。
「コアはなんて?」と僕は妻に訊ねた。
「結局ウイルスはサーバーに置かれているすべてのサイトを破壊したんだって」
「へえ、すべてって、どのくらいの数?」
「100サイトだって」
「はっ?あいつそんなに顧客持っていたのか?てか、100個も客のサイトを1つのサーバーに置いていたのかよ」
「それで、修理屋に依頼したら、私たちのサイトに貼られている写真からウイルスが見つかって、それが原因のようなの」
と妻はコアがメールに添付したウイルスの混入を示す写真ファイルを僕に見せた。確かにこの写真は僕がフリーサイトからダウンロードしたやつだ。最近のウイルスは写真ファイルに紛れることもあるってのは聞いたことがあるけど……。

ベトナム人にウェブを任せていたらウイルスが。なぜか訴えられるはめに

「あと……、コアが私たちを訴えるって」
妻の端的な言葉に、僕は少しうろたえた。
「私たちのサイトのせいで他の顧客のサイトも消えたから、損害賠償を請求するって。だからその件で話し合うから、サイト作成時の契約書を持ってきてくれだって」
僕はしばらく考えた。最初は突然訴えるといわれたので驚いたし、少し怖くなった。しかし、よくよく考えてみると、なんだか腑に落ちない点があることに気づいた。
「コアは契約書を持っていないんじゃないか?」僕は妻に訊ねた。すると、妻も少し考えたから、手を叩いて、
「彼持っていない!カフェで契約書にサインしたあと、コアのやつ契約書を忘れていったのよ。だから、いま私2部持ってる!」
「見せてみろ!」
そして契約書を棚から引っ張り上げ、A4用紙10枚に及ぶ契約内容をすべて読み上げた。もちろんこの契約書には僕とコアの社印と署名がしっかりとされているし、割印つきだ。そして、20分ほど時間をかけ、ようやく妻が僕たちが探していた一文を見つけあげた。
そこにはこう記述がされている。
『乙(コア)は、甲(僕)のウェブサイトをウイルスやハッカーから守る義務を負い、責務を果たせなかった場合は、両者取り決めのもと損害賠償を支払う――』
コアはこの契約書を奪いたかったんだ。僕はそう確信した。

つづく

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